桜が咲きはじめた3月の終わり、春休みのメイッコたちを連れて姉が里帰りをした。「みんなで王子動物園に行くけど一緒にどう?」と言う。王子動物園は、私と姉がメイッコたちと同じようなチビッコだった頃、家族4人でよく遊びに行った。ゲートを入ってすぐ左手に広大なフラミンゴ池があって、「動物園に来たぞ」というワクワク感と「楽しかったけど疲れて眠い」という記憶が靄のように、鮮やかなサーモンピンクの鳥たちの映像に重なっている。ところが、大人になった私が見る「広大なフラミンゴ池」はあまりにも小さく、自分が巨人になってしまったような気分を味わいながら、幼い記憶を上書きしてしまったのだった。

巨人で大人になった私とチビッコメイッコたちが、一緒に「うわー!」と見上げたのはゾウである。ゾウは大きい。いくつになっても、人生の道がどこかで曲がりくねっいても。ゾウの前で、我々は「大きいねー」という言葉を玉入れの玉のようにぽいぽい投げあげた後、敢然とパンダやペンギンや観覧車やお弁当やアイスクリームを乗り越えて、くたびれ果ててよろめくまで遊んだのであった。

後日、メイッコに手紙を書く約束になっていたので、私は「桜の森をのしのし歩く象に乗ってはしゃぐメイッコ」を描いた。絵の下には「ぞうさん おおきかったね」とひらがなを綴った。そろそろ読める文字があるらしいのだ。姉の報告によると、メイッコはこの絵をたいそう気に入り、絵を見ながらお話を創作してしゃべっていたらしい。絵と彼女の間で、いったいどんな物語が生まれたのだろうか? 記念すべきメイッコとのコラボ作品1号の誕生に、叔母バカは思わず身をよじって喜んでしまうのである。

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『花園』誌(妙心寺発行)での連載がスタートしました。タイトルは『お坊さんにご用心』。表紙イラストと題字はお坊さん+イラストレーターの中川学さん。私のエッセイにもイラストを描いていただいて、ヤッホー!な気分です。30冊もいただいたので欲しい人にはお送りします。いろんな連載があって読みごたえありますよ。

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